巷では人気ヒーローの世紀の対決を描いた映画『バットマンvs スーパーマン ジャスティスの誕生』が公開間近と話題になっていますが、そんな渦中、Coheed and Cambriaがそのヒーローたち(のコスチュームを着た男性たち)がキスをするミュージックビデオをリリース。そこで今回は、何度でも観たくなるセクシャルマイノリティを題材にしたミュージックビデオをピックアップ。
01.Coheed and Cambria/Island
舞台はNYのタイムズスクエア。バットマンのコスチュームに身を包み街を楽しませる男性は、ある時1人の男性に頼まれて、スーパーマンのコスチュームを着た男性と、“世紀の対決”を披露する。それが2人の出会い。その時はそのパフォーマンスで終わったが、バットマンにとっては何かパッとしない日々が続く。そしてある夜、スーパーマンが動物の着ぐるみを纏う2人組に襲われるのだ。バットマンは正義を見せスーパーマンを助け出す—めでたくキスをするという展開。
メンバーのクラウディオは、2つの対極的な存在、闇と光を愛の基に調和させたかったとコメントしている。歌詞は男女の仲を歌っているが、ビッグヒーローたちを愛で結ぶ構成がなんとも美しい!
02.Years & Years/Desire ft. Tove Lo
先日リリースされた『Desire』のミュージックビデオの中で、ボーカルのオリー・アレクサンダーが男性とキスをしているとニュースに。彼はすでにカミングアウトしており、今回のミュージックビデオも自分のセクシャリティのあり方を反映させていて、ありとあらゆるセクシャリティやクィアアイデンティティを讃えたいと主張している。
オリーは「僕が観てきた大体のポップソングビデオは男女がロマンスの中心で、それも素晴らしいことだけど、他にも多様なセクシャルアイデンティティがあって、今ある輝かしいポップソングビデオのロマンスのように同等に扱われるべきだってことに向き合いたいんだ。」と述べている。
03.Hozier/Take Me To Church
モノクロで作られたこのシリアスなミュージックビデオは、当時センセーショナルとなり物議を醸したとともに、第57回グラミー賞にノミネートされた曲でもある。ロシアの同性愛に対するへイトクライムへの批判を軸にしていると言われているが、宗教性をはらんでるように捉えられることから、様々な憶測が飛び交った。
Hozierとしては性的指向は自然なもので自由であるべきなのに、(宗教などの)組織はそれを欠点や悪いこととして弾圧しようとしている、というリベラルな立場で作ったとのこと。
04.Neon Trees /Songs I Can’t Listen To
カップルの恋愛模様を描いたこちら。むず痒いような恋心が垣間見える感じは、セクシャリティに関係なく、恋する人みんなが味わう物語なんだ、ということがひしひしと伝わってくる。ボーカルのタイラー・グレンはカミングアウトをしているが、厳格なモルモン教徒の家庭で育ったため、かなりの葛藤があったそうだ。そんな宗教観と戦いながら、彼が音楽を通して伝える思いを応援したい。
05.Macklemore & Ryan Lewis/Same Love ft.Mary Lambert
この曲は2012年にリリースされたのだが、同性婚が米ワシントン州で認められたのも同年12月のこと。当時としては、ヒップホップというジャンルで同性愛、同性婚に焦点を当てた曲は斬新だったと言える。歌詞もストレートに書かれていて伝わりやすい内容だ。ミュージックビデオは生まれた時から結婚に至るまで、政治的背景も絡めながら繊細に描かれていて、とても美しいストーリに仕上がっている。
<後編>に続く!
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