早いもので2016年も終わりに近付いています。オーランド銃乱射事件をはじめ、LGBTコミュニティにとってもとても色濃い1年だったのではないでしょうか。様々な問題が未だ平行線を辿る中、LGBTの可視化も決して好転したとは言い難いですが、新たにコミュニティに加わった人も多くいました。そこで今回は2016年のまとめとして、今年カミングアウトした著名人をご紹介したいと思います。
Colton Haynes/コルトン・ヘインズ
source/WALLPAPERSDSC.NET
海外ドラマ『ARROW/アロー』のロイ・ハーパー/アーセナル役で知られるコルトン・ヘインズ。5月に、雑誌『Entertainment Weekly/エンターテイメント・ウィークリー』のインタビューにてゲイであることをカミングアウトしています。
俳優としての仕事、セクシャリティとの間に生まれた葛藤で、一時精神的に追い詰められリハビリ施設に入っていたことをはじめ、幼少期のいじめ、実の父が自分のセクシャリティにより自殺したと聞かされ心に深い傷を負ったことなど、過去の苦しい経験も赤裸々に語っています。カミングアウトしたことで幸せがスタートしたという現在。2017年も映画などの多数新作作品を控えているとのことで、今後の活躍にも期待大です!
Lauren Jauregui/ローレン・ハウレギ
source/Seventeen
オーディション番組『The X Factor/Xファクター』から誕生した人気グループ「Fifth Harmony/フィフィス・ハーモニー」のひとり、ローレン・ハウレギも今年11月半ばにカミングアウト。トランプ次期大統領の支持者に向けて、批判や反論を込めた声明を「billboard」にて発表した際に「私は、バイセクシャルのキューバ系アメリカ人女性であることを誇りに思っています」と公言しています。
先日脱退発表のあった元メンバー、カミラ・カベロ(Camila Cabello)と仲睦まじい姿が噂されていたり、結婚式場で女性とキスしている様子を目撃されたりと、ファンの間では以前から「そうなのでは……」と囁かれていました。
Brian Anderson/ブライアン・アンダーソン
source/Rolling Stone
1999年にドイツ・ドルトムントで開催されたスケートボーディングワールドカップで優勝、また『Thrasher』誌のスケーター・オブ・ザ・イヤー賞受賞という輝かしい功績を持つプロスケーターのブライアン・アンダーソンは、9月にゲイであることをカミングアウトしています。
「周りは『なぜ今こんなことをしてるんだ?なんでもっと前にしなかったんだ?』って聞いてくるんだ。それはびくついてたからなんだ。怖かったんだよ。みんな大きく異なる視点で捉えるからね、15年前はそう言ってたね。」
また今彼がカミングアウトすることで、クローゼットに閉じ込められた若い世代の助けになるのでは、と希望を語るブライアン。
「若かった時にどう感じてきたか……恐怖でしかないよ。でもカミングアウトした後に幸せになれる、このメッセージは自分にとっても本当に重要だったし、それを伝えていきたいんだ」
Lilly Wachowski/リリー・ウォシャウスキー
source/DailyMail
映画『マトリックス』シリーズの脚本・監督を務めたことで有名なウォシャウスキー姉妹。姉ラナに続き妹のリリーも今年3月に性転換手術を終え、「GLAAD Media Awards」に女性として登壇しています。
「“トランスジェンダー”という言葉には時間と空間のニュアンスが欠けています。男性、女性という二項対立の中で完結するのではなく、私は常にトランジション=変わっているのです。男性と女性との間に存在する無限を通り、人生に変化を与え続けるのです。
…クィアということは、本質的に今ここにいることへの拒否であり、別世界への可能性に対する主張でもあります。だからこそ私は楽観主義者でい続け、別世界の可能性の一例となります」
Elena Delle Donne/エレナ・デル・ドンヌ
source/combiboilersleeds.com
米『VOGUE』誌8月号のインタビューにてレズビアンであることをカミングアウトしたのは、WNBAで活躍するバスケットボール選手、エレナ・デル・ドンヌ。リオオリンピックにも米代表として参加していました。
カミングアウトといっても実際に雑誌に掲載されたのは、婚約者とともにシカゴとウィルミントンにある住まいで過ごしている、というカジュアルな公表でした。その後他メディアにインタビューを受けた際には、こう答えています。
「もう何も隠すつもりはない、そう決心しました。一番は、アマンダ(婚約者)のプライバシーを尊重することです。彼女は表舞台にいるわけではないですから、インタビューを受ける必要もないし、そういう気持ちにさせたくありません。だからカミングアウト記事とかではないんです。私は彼女とずっと一緒でしたし、近しい人たちは皆それを知ってる、それだけのことです」
Amandla Stenberg/アマンドラ・ステンバーグ
source/teenVOGUE
映画『The Hunger Games/ハンガー・ゲーム』でルー役を演じ一躍有名となった、現在18歳の女優アマンドラ・ステンバーグ。雑誌『Teen Vogue』のスナップチャットアカウントにて、雑誌の表紙をはじめて飾ったこととともに、バイセクシャルであることや自身のアイデンティティ、女性であることについて語っています。
「自分に合わない型にはめられ、アイデンティティと戦うことはとても深い傷を負うことになります。バイセクシャルの黒人女性と自認しているひとりとして、私もそれを経験してきました。痛いし、気まずいし、心地良くはありません。
でも、私たちは抑圧されてはいけないのです。喜びや愛、涙を表現するべきだし、大きく大胆になるべきなんです」
Robin Lord Taylor/ロビン・ロード・テイラー
source/International Business Times
海外ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』のペンギンことオズワルド役で知られるロビン・ロード・テイラーは、オーランド銃乱射事件後にSNSを通してゲイであることをカミングアウト、さらにはすでに結婚5年目であることも公表しています。
彼のカミングアウトを多くが後押しする中、誹謗中傷や同性愛嫌悪をあらわにした書き込みがされたこともツイートにて告白しています。
Ryan Beatty/ライアン・ビーティー
source/JUST JARED
人気曲をカバーをした自身の歌声をYouTubeに投稿、瞬く間に有名となり2011年に『Every Little Thing』でデビューを果たしたアメリカ出身の歌手、ライアン・ビーティー。ポストジャスティン・ビーバーか!?といった声もあがっていました。
愛らしさ漂う21歳の彼も、これ以上の幸せはない、と今年6月にInstagramのアカウントを通してゲイであることをカミングアウトしています。
「言えるようになるまでのこの20年間、クローゼットで窒息しそうだったよ。でも今はやっと呼吸できる。やった!」
Aubrey Plaza/オーブリー・プラザ
source/wallpapers qq
NBCのコメディドラマ『Parks and Recreation/パークス・アンド・レクリエーション』にて、長年に渡りエイプリル・ラドゲートを演じたことで知られる女優オーブリー・プラザ。7月に掲載された『Advocate』のインタビューでは、バイセクシャルであることをカジュアルにカミングアウトしています。
「自分の中で中性的な何かが起きていることは分かってるし、私のエネルギーってどこか男性的なの。女の子たちは私に魅かれるみたいだし、それも秘密じゃない。だって私も彼女たちに夢中になるから。私は女性とも男性とも恋に落ちるのよ、仕方ないことね」
Clea Du Vall/クレア・デュバル
source/VARIETY
『The Faculty/パラサイト』や『Girl, Interrupted/17歳のカルテ』などの映画をはじめ、人気ドラマにも多数出演している女優クレア・デゥバル。同性愛者役も数多く演じてきた彼女ですが、自分のことのようだと感じられる役は今まであまりなかったそうです。そして今年、自身が初監督を務めた映画『The Intervention(原題)』にて、以前カップルを演じたナターシャ・リオン(Natasha Lyonne)と新たにカップル役を演じ、同性愛者役としての息吹を感じたと語っています。
以前からレズビアンであることをオープンにしていましたが、映画製作により自分自身のセクシャリティに向き合うことができ、今はレズビアンであることを誇りに思うと語っていたため、2016年カミングアウトのリスト入りを果たしています!
<後編>に続く
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