米リアリティ番組『Dancing with the Stars/邦題:アメリカン・ダンシングスター』、通称DWTSでこの度ナイル・ディマルコが優勝を果たしました。イケメンモデルとしても活躍する彼がここまで注目されているワケは、その美貌だけでなく、ろう者として聴覚障害を乗り越えた強さにあります。
セレブやスポーツ選手といったゲストがプロのダンサーと組み、社交ダンスなどのダンス特訓を受けた後、ステージ上で勝ち抜きバトルを繰り広げるという、米ダンスリアリティ番組『Dancing with the Stars』。もともとプログラム自体はイギリス発祥ですが、アメリカでも2005年から続いている人気番組なんです。
そしてシーズン22を迎える今回、新たに誕生した王者はナイル・ディマルコとペタ・マーガトロイド。
ナイル・ディマルコをご存知ですか?
source/PinkNews
青い瞳に整った顔立ち、長身かつ筋え抜かれたボディ。これぞいわゆるイケメンだなと頷きたくなる美貌の持ち主、ナイル・ディマルコ(Nyle DiMarco)。
昨年放送された、これまたアメリカで人気を誇るオーディション番組『America’s Next Top Model/邦題:アメリカズ・ネクスト・トップモデル』(通称ANTM)シーズン22で優勝に輝き、トップモデルの仲間入りをした彼ですが、実は聴覚障害を持つ「ろう者」なんです。
両親や兄弟みながろう者という家庭で生まれ育ったそうなので、遺伝的なものかもしれませんね。大学卒業後からフリーのモデルとして活動、たまたま彼の写真を見かけたANTMのプロデューサーがスカウトし、番組出演に至ったとのこと。障害に悩んだことがなさそうと言ったら失礼になりますが、悩みを感じさせないほど、強くパワフルなナイルの生き様に彼を応援するファンが急増中。
彼の美しさは、耳が聞こえないことで人生を嘆くのではなく、前向きな姿勢といった内面の表れかもしれません。困難を乗り越えて頑張れば夢は実現する、そんなメッセージを感じます。
ちなみに性的指向に関しては、フルイディティを表明しているらしく、女性だけが対象なわけではないようですよ!
また、同じ境遇のこどもやその親を支えるためのNPOナイル・ディマルコ・ファンデーションを設立。聴覚障害を持っていても、消防士、エンジニア、弁護士、教師、モデル、俳優、ダンサーなんにだってなれる、そんなこどもたちの未来への鍵は早い段階で言語を取得すること、そうオフィシャルサイトに書かれたミッション。“聴覚障害を持つこどもに大事なのは愛と言語”といった理念のもと、こどもたちに様々な機会を与えてあげたいというナイルの想いが込められています。
モデルの枠を越え社交ダンスで優勝!
こちらは優勝した際に、ナイルが投稿したInstagram。
「信じられない!勝ったよ!ミラーボールを勝ち取ったんだ!!!これは世界中の7,000万人の耳が不自由な人々に贈られたもの。
ずっとサポートしてくれてありがとう、ペタ。君は本当に最高だよ!僕とこの旅路を歩んでくれてありがとう。僕を後押ししてくれて、そして信じてくれてありがとう。大好き!」
彼に勇気をもらった人がどんなにいるか計り知れないですね。
その前の投稿でも、ダンスを通して自分の人生を表現できたこと、そして本当の意味でのろう者とは何かを気づかせてくれたとペタに感謝の気持ちを綴っています。
こちらの動画はファイナルのフリースタイル、コレオグラフィーです。曲は、Disturbedの『The Sound Of Silence』、カバーですが歌詞にも注目(原曲を聴いたことがあるという人も多いはず)。ひとつひとつの動きから表情、体の線、空間、ダンスが伝えたいことすべてが美しいです。
YouTubeには他タンゴ/チャチャの動画なども挙がっているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
組になってダンスを踊る、音楽に合わせてダンスを踊る。音が聞こえないとリズムが取れづらく難しいことが想像できます。でも彼のダンスを観ていると、何事も難しいからといって出来ないわけじゃないんだと気付かされます。
諦めることは簡単だし、ポジティブに考えるよりネガティブに捉えることのほうが楽な気がする。でも、将来はみんなに開かれていて、叶えたい未来を実現するチャンスはあるんですよね。ひとりで叶えることは厳しいかもしれない、そういう時は周りのサポートに感謝し甘えながら、自分なりに頑張れば良いのではないでしょうか。
ナイルもペタがいたからこそ、ここまでこれたのかもしれないです。そう思うと、ひとりでダンスを披露するのとは違い、プロとのペアで課題に挑むという番組の設定の良さも感じますね!
ナイルの今後の活躍にも期待、応援しましょう!
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