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2016.12.01

【編者の雑談】女性だけだと思ってない?男性だってレイプの被害にあう

レイプと聞いて、男性の被害者を思い浮かべる方はほとんどいないのではないでしょうか。強姦事件の発生の割合からいくと、男性が加害者であることのほうが多いかもしれませんが、だからといって男性被害者の存在を否定してしまうのは間違っています。今回は、そんな「メイル・レイプ」についての雑談です。

 

 

 

メイル・レイプは存在する

1612011source/Female Fatal

 

「Male Rape=メイル・レイプ」は、女性から男性に対する異性間の事例に加え、男性から男性に対する同性間の行為も含んだ、“男性に対する強姦”を指します。女性に対する強姦事件のほうが圧倒的に多いため、メイル・レイプが日の目に当たることはほとんどないですが、実際のところ年々増加傾向にあると言われています。しかし日本の刑法では、強姦罪の被害者の範囲から男性が排除されているという事実もあります(強制わいせつ罪は認められる)。

 

 

海外の映画などに関して言えば、メイル・レイプ(主に男性から男性へ)を作中に取り入れた作品が、決して多くはありませんがそこそこあるんですよね。男性ばかりが集まる刑務所内や軍隊にていじめられ孤立した男性が、あるいは幼い少年が悪い大人の被害にあうケースなど……また行為中のシーンだけでなく、心の病を辿れば幼い頃の性的被害が原因だったなんてストーリーはよく目にします。もっぱらステレオタイプだと言ってしまえばそうかもしれませんし、ドキュメンタリー作品でない限り映画やドラマはフィクションでしょ、と感じるかもしれません。でも、現実世界でもメイル・レイプは起きているんです。

 

 

酔っ払った男性を同意もなく犯したり、家宅侵入するなどしたゲイ男性によるストレート男性への強姦も報告されていますし、ケンタッキー州では、15歳の少年が5人の若者男性グループにレイプされ、さらにはその様子を録画した動画がSNS内で拡散されるという卑劣な事件も起きています。その少年はレイプにより体内を負傷し、集中治療室にて数日過ごしたといいます。また「GQ」のこちらの記事には、米軍レイプ事情なる内容が記載されています。2012年の1年間だけで、約1万4,000人の米軍兵士がレイプ被害にあっているというから驚きです。

 

 

またアメリカの法務省統計局によると、知人にレイプされる男性の被害者数も少なくないとされています。これまた映画などのフィクション上の話ですが、義理の父やお世話になっている大人の人にレイプされる少年の話って多いんですよね。事実、カトリック教会の性的虐待事件も起きていますし。

 

 

 

 

ありえないって思わないで

1612012source/DISCOVERY&WELLNESS

 

メイル・レイプの問題は、事件が報告されないということです。女性のレイプ被害者とも通ずるものがあるかもしれませんが、「被害を受けたことが恥ずかしい」、「きっと誰も信じてくれないだろう」という思いが、他人に打ち明けることを止まらせるのです。特に、世の中に“ない”ものとされてしまっているメイル・レイプは、「男でしょ、何言ってる」の一言で終わってしまっても不思議じゃないんですよね。さらには「本当はうれしかったんでしょ」といった“被害者ぶるな発言”を浴びせる人もいるのです。よって、日本でも男性のレイプ被害報告はほぼないに等しいようですが……実態はまだまだ分かりません。また知り合いが加害者の場合は、脅迫されているがゆえに報告できないというケースも大いにあり得ます。

 

 

つまりは、周りが無知でいてはダメなのではないか、ということです。女性に比べてどんなに被害者数が少なくとも、被害を受けている人はゼロではないのだから。その実態を多くの人が知り、「男性に対するレイプなんてありえない」という不可視の状態から、被害にあった人が声を発する社会をつくるべきではないでしょうか。本当は同意のない性行為、レイプが撲滅すれば問題のないことなのですが……、悲しいことに事件は後を絶ちません。

 

 

 

Top Photo/a plus

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