TOP

LIFESTYLE

2016.10.10

【FtM】自分のカラダに自信がない……?女性器がある=男性じゃないというのはお門違い!

多くのトランス男性が、ボトムの手術を受けずに生まれ持った性器と人生をともにしているという事実をご存知ですか? 男性器がないからといって「男じゃない」というわけではない、と世界的に有名なトランス男性バック・エンジェル氏が赤裸々に語っています。

 

 

 

約90%が女性器を残している

1610101source/THE HUFFINGTON POST

 

乳房切除やホルモン治療を行っている人の数は少なくないと思いますが、ボトムの手術、つまり尿道や陰茎形成手術を行っているトランス男性の数はそこまで多くないと言われています。世界中のトランス男性と出会いインタビューをしてきたという、自身もトランス男性かつ世界的なポルノスターであるバック・エンジェル(BUCK ANGEL)は、約90%のトランス男性が女性器を残しているのではないかと見積もっています。

 

 

そこには乳房切除やホルモン治療を行って様子を見てから行いたいという人もいれば、経済的なことをはじめ手術や合併症に対する恐怖といった様々な理由から一歩を踏み出せないという人もいるでしょう。でも、手術をしなければ男性になれないというわけではないのです。

 

 

手術をするかどうか迷っている人へ、そして手術をしないと決めた人へ。その手術をしないことを選ぶのも素敵な選択なのではないでしょうか。

 

 

 

「はじめて性転換手術を行った時(ボトムは行っていないため)、この先パートナーを見つけることができないんじゃないか、恋愛すらできないんじゃないかって戸惑ったよ。女性器のある男性なんて、単純に相手にしてくれないんじゃないかって思ってたんだ。同じような不安を抱えたトランス男性100人以上と話してきたし、インタビューをしたんだ」と話すバック。

 

 

彼が出会ったというブルックリン在住のケヴィン(30)は、ボトムの手術を受けないと決めたものの、その後何年も悩み続けたと言います。でも、オンラインでバックが作ったトランス男性のドキュメンタリー動画を観てから、必ずしも男性になるために陰茎が必要なわけではないんだと気付いたそうです。ケヴィンは「僕はセックスのことをものすごく心配していたんだけど、ほとんどのセクシャルパートナーは僕自身や僕のカラダに対して、とてもオープンなんだよ。彼らにとって未知の領域だとしてもね」と、自分自身が考えすぎだったことを明かしています。

 

 

 

 

自分のカラダを愛でることが大事

1610102source/loudwire

 

バック自身は、マスターベーションやオーガズムを体験することで、自分の性器に納得できたと話しています。女性器は元から自分のカラダの一部であり、男性器のない男性でも良いんだと思えるようになったそう。

 

 

「マスターベーションをしていたはじめの頃は、それを楽しむ自分に罪悪感を感じていたんだ。初めての時なんて、自分の女性器で感じるなんて変な気持ちになったよ。でもそのオーガズムが自分を変えてくれた。まさにアイデンティティや自己愛に対する考え方のターニングポイントになったと思うね」

 

 

 

バックだけでなく、彼が出会ってきた多くのトランス男性の共感も呼んだそう。男性ホルモン(テストステロン)投与を行っていると陰核が肥大化し、刺激に対してより敏感になると言われています。そのためセックスに対する意識や欲も変化し、常にベストな方法を模索するようになるとのことで、女性器のあるトランス男性どうしの“マスターベーショントーク”はかなり花が咲くそうです。バック曰く「自分のカラダを嫌厭したり情報不足であるがゆえに、トランス男性は最高のセックスライフを送るチャンスを逃しているんだよ」とのこと。

 

 

23歳のトランス男性Jは、「マスターベーションは毎日してるよ。自分のカラダに触ることって、はじめはなんだか慣れなくて、快適に感じるまでには時間がかかったかな。というのもホルモン治療をするまでマスターベーションしたことがなくて。でもセックスは好きだし、自分のカラダを自分で感じることに意味があるんだなって気付いてから、それは良いことなんだと思うようにしてる」と語っています。

 

 

 

さらに、トランス男性向けの良いラブグッズがないことから、発明家になったと続けるバック。「自分のカラダに合うように、シスジェンダーの男性・女性のために開発されたトイを改造したよ」。身の周りのものを使用して、自分が楽しめるラブグッズを開発しているといった他のトランス男性の話もチラホラ。

 

 

 

「マスターベーションをするためだけに、ここまで発明に力を注いでいるんだからすごいことだよね笑」。

 

 

 

 

トランス男性のカラダのこと、もっと話そう!

1610103source/Strength For The Battle

 

自分のカラダを愛し心にゆとりができるようになるにつれて、セクシャリティを超えた様々なレベルで“心地よさ”を感じられるようになったバックは、自分のカラダや自分自身を愛することの大切さを、より多くのトランス男性に伝えることを使命にしているそうです。

 

 

「こういった会話は僕たちの幸せな人生のために必要なことだと思うんだ。あなたのカラダは本物であって、喜びを知る権利がある。そしてあなたは決して一人じゃないよって教えてあげたい。そして、トランス男性のカラダのことや特定のニーズに対する認識を高めるためにも、トランス男性コミュニティを超えて、こういった話をしていけることを願ってる。だって僕たちだけじゃなくて、将来のパートナーや教師、ひいては医療や法律に携わる人たちにとっても重要な話でしょ?」

 

 

 

バック・エンジェルはポルノ監督として有名である一方、教育者やアクティビストとしてなど、多方面で活躍しています。そんな彼ならではのビジョンをご紹介しましたが、彼の言う通り、女性器がある自分のカラダに不安や不満を抱えるのではなく、それを含めて自分自身を愛することで、自信が湧くと同時に幸せな道を切り開くことができるはずです。また、トランス男性への周りの理解がより深まれば、“女性器のある男性は男性じゃない”という偏った考えも減ってくるでしょう。そのためにも、男性器にこだわるだけでなく、今の自分のカラダを誇りに思い、声をあげることも大事なのではないでしょうか?

 

 

 

Top Photo/FAVIM.COM

KEY WORD

この記事が気に入ったら
"いいね!"しよう。

SECRET BOXでは最新のLGBT情報をお届けします。

RELATED ARTICLE

2016.12.28

前編に引き続き2016年の振り返りとして、今年LGBTであることを公にカミングアウトした著名人をご紹介。SNS上で公表する人もいれば、スピーチでさらっとセクシャリティを明かす人もいたりと、カミングアウトの方法は人それぞれ…

2016.12.27

早いもので2016年も終わりに近付いています。オーランド銃乱射事件をはじめ、LGBTコミュニティにとってもとても色濃い1年だったのではないでしょうか。様々な問題が未だ平行線を辿る中、LGBTの可視化も決して好転したとは言…

2016.12.24

海外のアダルト動画サイト「Pornhub」が、クリスマス関連の検索ワードランキングとその上昇値を発表。多くの人が、シーズンに合わせてアダルトサイトを有効活用していることが判明しました! その気になる人気検索ワードとは? …

2016.12.18

日本では恋人たちのクリスマスも、欧米では家族で過ごすことがほとんどです。こどもたちにとって素敵な祝日、冬となるように親たちは大奮闘するんですよね。レズビアンママたちも例外ではありません! Instagramにも可愛すぎる…

2016.12.17

フィットネスサイト「Fitrated.com」のリサーチャーが2,000人以上のアメリカ人を対象に、パートナーのカラダのどのパーツに最も魅力を感じるかについての調査を行いました。今回は、ゲイ男性・レズビアン女性の回答に絞…

2016.12.12

家族や恋人、友人などクリスマスは大切な人と過ごしたいですよね。そんなクリスマスをテーマにしたテレビCMが、心浮き立つ音楽とともに世界各国で流れています。特にヨーロッパでは、LGBTにそっとフィーチャーしたCMが話題なんで…

2016.12.08

LGBTであることをカミングアウトして職を失った、あるいは職を失うことが怖くてカミングアウトできない。だからといって自分を偽って生きていくのは息苦しい……そんな葛藤を抱える人は少なくないはず。それは今活躍しているゲイ俳優…

2016.12.04

12月に入り、街の雰囲気もより一層クリスマス色に染まってきましたね。25日の本番に向けて、プレゼントを用意したりパーティの準備を進めたりと大忙しの人も多いと思いますが、まだまだ周りの雰囲気に置いていかれている……というゲ…

2016.11.30

「セックス・アンド・ザ・シティ」のキャリーにゲイの親友スタンフォードがいるように、キラキラ輝いた女性のそばには、的確なアドバイスを与えてくれるゲイ男性の親友がいるイメージですよね。ステレオタイプ色が強い通説ではあるものの…

2016.11.25

ストレートの男性に比べて、ゲイ男性には負けず嫌いの人が多いと感じませんか? 「競争心」は努力や成長の糧となるため、決して悪いことばかりではありません。ただ、あまりにも頑張りすぎると途中で息切れしてしまいます。きっとそんな…