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2016.08.06

【編者の雑談】同性愛が理由で十代の若者さえ死刑になる国もある

ヘイトクライムが未だ残るものの、欧米諸国や日本では、少しずつセクシャルマイノリティに対する理解が広まってきたように思えます。しかし、一部の国では同性愛=死に直結するのです。「編者の雑談」第12弾では、国による同性愛の捉え方を考えてみたいと思います。

 

 

 

国際法に反する未成年への死刑執行

1608062source/Guyana Chronicle

 

欧米諸国では同性婚が認められたり、性的指向に対する差別を廃止するなど、人権問題は改善されつつあるように思えます。日本では、まだ同性婚法が認められていなかったり、いじめや自殺、職場での抑圧……といった問題は多数残っていますが、新宿二丁目は盛り上がりを見せていますし、LGBTに対して寛容にはなってきているのではないでしょうか。

 

しかし、国際法が制定されているにも関わらず、先日イラクでは同性愛の未成年者、19歳のHassan Afshar(ハッサン・アフシャール)に対し死刑が実行されました。

 

 

 

これに対し、世界最大の国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルは「止まることを知らない国際法の違反、少年を死に至らしめることに不快を感じる」と非難を示しています。未成年を死刑に処するのは国連の制約条項に違反することになります。イスラム法の下に裁かれることも考慮しなくてはいけませんが、年齢に関係なく同性とのセックス=最も重い罪となるイラン。アムネスティ・インターナショナルの報告によると、昨年だけで4名の少年が同罪で死亡、また2005年から2015年の10年間で73名の少年に死刑が実行されています。

 

 

「アフシャールは弁護士と接見することを認められていませんでしたし、十分な調査をせず有罪判決を下し、逮捕の二ヶ月後に死刑を宣告とするという早さに憤りを感じる」と話すのは、アムネスティ・インターナショナルのMagdalena Mughrabi(マグダレナ・ムグラビ)氏。

 

 

 

アフシャールは、少年を強姦したという罪で17歳の時に投獄されました。彼の家族は、相手も合意の上であり議論する余地があると訴えていましたが、ここで強姦ではなく同意の上でのセックスとなると、その相手も死刑に処されるとのことで強姦として処理したそうです。アフシャールに続き、友人をレイプ、その後殺害したとされるアリレザ・タジキが死刑を控えているそうですが、彼が罪を犯したという確固たる証拠が無く、拷問によって自白を強要されたと言われています。アフシャールの死刑後、世界中の非難にあったイランは、アフシャールの次であるタジキの死刑を保留としたそうです。

 

 

 

 

宗教観を超えて同性愛への考えは変わるのか

1608061source/ADVOCATE

 

この写真は2005年に同性とのセックスを理由に処刑された、Muhmoud Asgari、16歳とAyaz Marhoni、18歳。イスラム法の下では、「Hodud」と呼ばれる罪があり、婚外性交渉及び合意の上での同性愛性交渉はイスラムの預言者を侮辱している、と処罰の対象となります。死刑が最も重い刑となり、死刑のほかには、はりつけや追放、右腕・左足切断の刑があります。

 

 

イランだけでなく、ほか同性どうしのSEXが認められていない12の国が存在します。犯罪にはなるものの、死刑としての処罰はないそうです。また、インドネシアでは同性どうしのSEXを犯罪とすべきか否か検討しているとの報告もあります。

 

 

それぞれ宗教観や「郷に入っては郷に従え」という言葉がある通り、国の色というものがあるため、イチ日本人として一概に真っ向から避難することはできませんが、国際法然り未成年を死刑の対象にすること、そして同性愛(どちらかというと性行為に重きがあると思いますが……)を理由に死に追いやるのはなかなか心苦しいものがあります。

 

 

 

いかなる場合でも人権は守るべきだと思いますし、歴史を大切にしながら、現在軸で寛容さも持ちあわせることも必要かなと。時代に合わせてそれぞれ考え方や捉え方は変わってくるものですからね。

 

 

様々な国に訪れる機会が多い方は、こういった同性愛に対する各国の考え方を今一度頭に入れてから行動するようにしてくださいね。

 

 

 

Top Photo/Atverk.it

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