TOP

EDITOR'S

2016.07.01

【編者の雑談】そういえば、Airbnbのホストはゲイだった〜そしてmisterbnb〜

昨年、ロサンゼルスに1か月滞在する際に「Airbnb」を利用しました。特に意識した訳ではなかったのですが、ホストの方はゲイでした。そこで「編者の雑談」第9弾では、その滞在にて体験したことをもとに考えたこと、そしてゲイ向け民泊の紹介をしたいと思います。

 

 

初めてAirbnbを使ってみました

1607011source/Airbnb

 

昨年末、(人生の休暇も兼ねて)1ヶ月間LAに滞在しました。中学生の時に語学研修プログラムを通して1ヶ月ほど、また仕事でも訪れることがあったので、LA自体は初めてではなかったのですが、フリープランで1ヶ月の滞在は初めて。そこで、周りのいろいろな方に長期滞在なら「Airbnb」を利用すると良いとのアドバイスをいただき、初めてAirbnbを通して滞在先を決めました。

 
 

ご存知の方も多いと思いますが、Airbnbは宿泊施設、民宿を貸し借りできるサイト。プロフィールを登録するだけで、自分の部屋を宿として貸すこともできますし、世界各国の民宿を探すことができます。

 
 
LAのホテルに1ヶ月滞在するとなると、事実かなりコストがかかります。安価なところもありますが、正直治安が良いとは言い切れないところも多いですよね。でも、Airbnbは提供者個々が値段を決め、場所や広さ、施設や家の環境、同時滞在人数などに応じて様々なオプションが提示されているため、自分の中での予算に見合った、程良い宿泊先に出会えるのがホテルとの違い。

 

リッチな気分にも浸りたかったので、最初の数日だけホテルに泊まることにし、残りの1ヶ月の滞在先をAirbnbでサーチ。私の場合は、場所と値段で絞り、家の写真の雰囲気やファシリティ、口コミで最終決定しました。そう、Airbnbは提供者、宿泊者ともに評価システムになっているため、当然口コミが悪いと客が来なかったり、逆に泊めてもらえないということも。私が選んだホストはスーパーホストといって、Airbnbが定めた合格水準が高い人に与えられる称号を持っている方でした。前もってチャットで連絡を取り、日程などを伝えて交渉成立。とても感じの良い人だなという印象でした。

 

 

 

いざ、ロサンゼルスへ

1607012source/BURGESS

 

前置きが長くなりましたが、いざLAへ。実際に行くまで気付かなかったのですが、タイトルにある通りホストの方はゲイだったんですね。

 

たしかに、ホストのプロフィールにも「パートナーとともに運営しています」と書かれていました、かなりスルーしていました。そういう意味でのパートナーと気付かなかった私の問題か、そもそもだからといってゲイカップルが運営していることが、私にとっては何ら問題な訳ではないので、どちらでもよかったというのが本音です。

 

そのホストは、ゲストルームが4つほどある大きな一戸建てに住んでいて、私もホストとそのパートナー、そして他のゲストと普通に生活をともにしていました。そして、サンフランシスコで働いている私の友達が遊びに来た時は、サンクスギビングのディナーまでご一緒させてくれました。その時に、初めてふたりがキスするのを見たんですけどね!ふたりともとても良い人たちで、とにかくその1ヶ月を楽しく快適に過ごせたのは、ひとえにふたりのおかげだと思いますし、ぜひまた泊まらせていただきたいなと思ったのが率直な感想です。

 

 

 

 

さて、なぜこの話を持ち出したかというと、民泊とセクシャルマイノリティの関係性を考えさせられたからです。と言うのも、Airbnbなどのシステムの中には「差別」という問題が見え隠れしているから。

 

 

私が彼らがゲイカップルであることに何か違和感を感じたからとか、またゲイだからといって特別何かをした、という話ではありません。そのためのテーマではなく…

 

 
中には、後からホストがゲイだと気付いて嫌悪を示す、途中で泊まることをやめたという人や、また逆にゲイだからという理由で宿泊を断られるという人がいるのです。今のところ、後者の方が圧倒的に多いかもしれませんが。他にも、トランスジェンダーであることを告げたら、ホスト側が「こどもに悪影響だから…」という理由で断ってきたという話もあります。

 

またセクシャリティマイノリティだけでなく、先日は黒人だからといって予約を取り消されたという人種差別が問題になりました。そのホストは、メッセージにて差別的な中傷を送りつけてきたとのことで、ただちにAirbnb運営側が介入、「Airbnbは差別を容認しない」とホストのサイト利用を停止。多様性を受け入れるサイトとして、ジェンダーや性的指向、人種や民族で差別されるようなことがあってはならないと提言しています。

 

 

 

ホスト側にも断る権利はあります。そのため、宿泊側を評価する制度が設けられており、評価が低ければ泊まれなくなるのは納得できますよね。でも、その人の行動やパーソナリティ関係なく、セクシャリティや人種で線引きするのはいかがなものでしょうか。正直、私もアジア人だからという理由で断れる可能性もあるということですよね、こう考えると。

 

プロフィールには写真も掲載できるため、人種は分かりやすいかもしれませんが、セクシャリティは自分で書かない限り相手には分かりません。ただ、いちいち私はゲイです。(それでも良いですか?)なんて書かなきゃいけないのなら、それこそナンセンスだと思いませんか。ビジネス目的だけでなく、いろいろなバックグラウンドの人と出会えるのも民泊の醍醐味のはず。ホストがLGBTであろうと、ゲストがLGBTだろうと、問題があるとしたらセクシャリティではなくて、人間性の問題。

 

 
このように民泊システムの中で、不快に感じている人たちも多くいるのが現実なのです。

 
そこで注目したいのが、パリで設立されたゲイの利用者を対象とした民泊サービス「misteerbnb」。

 

 

 

ゲイ向け民泊サイト「misterbnb」

1607013source/misterbnb

 

創始者のマシュー・ジョスト氏はゲイをカミングアウトしており、民泊システムを使って泊まろうとした先で、幾度と“歓迎されていない”と感じたことから、ゲイによるゲイのための民泊サービスが「misterbnb」を始めるに至ったそうです。

 

2013年に創設され、現在では世界中に24,000件もの滞在リストがあります。残念ながら日本語環境は整ってはいないものの、「Tokyo」と検索するだけでも95件がヒットします。使い方はAirbnbとさほど変わらない模様。ホストはゲイに限らず、LGBTに差別や偏見がありませんよという方も登録しているそうです。

 

 

やはりお互いのことが分かっていると思うだけで、安心して滞在先を選ぶことができますよね。さらにコミュニティとの結び付きが強くなるといった利点もあります。

 

 

 

今回は編者の雑談ということで、自分の経験を含めて私が感じたことをそのまま書きました。もし、自分が差別を受けて泊めてもらえなかったり、自分のセクシャリティのせいで泊まってくれない、難癖つけてくるといったことがあったらどう考えますか。使わなきゃいいじゃないの?という意見もあるかもしれませんが、使う権利もありますから、ね。

 

 

 

Top Photo/WORD Express

KEY WORD

この記事が気に入ったら
"いいね!"しよう。

SECRET BOXでは最新のLGBT情報をお届けします。

RELATED ARTICLE

2016.12.01

レイプと聞いて、男性の被害者を思い浮かべる方はほとんどいないのではないでしょうか。強姦事件の発生の割合からいくと、男性が加害者であることのほうが多いかもしれませんが、だからといって男性被害者の存在を否定してしまうのは間違…

2016.11.07

GLAADが2016-17シーズンのテレビレポートを公表。過去に比べLGBTQの露出が増えたものの、まだまだ改善すべき問題があることを提示しています。特に顕著なのがLGBTQ内での差別。とにかくレズビアンキャラが死んでし…

2016.10.16

昨今、出会い系アプリを通じて出会った者同士愛を育んでいる人も多いと思いますが、素性が分からない人、こちらが意図せぬ目的で利用している人と出会う可能性もあるのがシステムの盲点ですよね。今回はそんな出会い系アプリの危険性を再…

2016.10.05

意識しているしていないに関わらず、こどもが手にするおもちゃにも“男の子用” “女の子用”と見えないラベルが付けられていると思いませんか? あるトイストアのCMは、シンプルながらもそんなステレオタイプを覆すメッセージが込め…

2016.09.13

先週末にメキシコで起きた「反同性婚デモ」にて撮影された1枚の写真が物議を醸しています。そこには、大勢の抗議者と警察車両を前に、両手を広げて立ちはだかる1人の少年が写し出されています。この緊迫感ある情景から、何を感じますか…

2016.09.01

海外ドラマ『ホワイトカラー』などで知られるイケメンゲイ俳優マット・ボマー。この度、新ドラマにてトランスジェンダーの女性役に抜擢されたのですが、これはトランスジェンダーに対する差別だと物議を醸しています。果たして、彼は断る…

2016.08.30

2015年にカミングアウトしてから、何かとイケメンゲイ枠で様々なメディアに取り上げられているフリースキーヤーのガス・ケンワージー。その見た目のカッコ良さに体中がとろけそうですが、中身も素敵すぎる真のイケメンなんです。 &…

2016.08.21

「好き」と「嫌い」は深層心理が同じだと言われています。その相手を嫌いと思うのは、自分の嫌な部分を相手に投影しているから、あるいは自分が持てない相手の価値観を妬ましく思っているから。それと同様に、際立って同性愛嫌悪を示して…

2016.08.07

東京五輪を4年後に見据えた、リオオリンピック2016が開幕!スタジアム工事の遅れや、治安問題が不安視されていたものの、始まってみれば大きな盛り上がりをみせています。開幕早々、複数の種目において日本選手がメダルを獲得してい…

2016.08.06

ヘイトクライムが未だ残るものの、欧米諸国や日本では、少しずつセクシャルマイノリティに対する理解が広まってきたように思えます。しかし、一部の国では同性愛=死に直結するのです。「編者の雑談」第12弾では、国による同性愛の捉え…