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2016.06.22

【編者の雑談】世の中は経験してはじめて気付くことだらけ

英国の政治家、マーク・ランカスター氏がTwitter上でつぶやいた「私は間違っていた」という言葉に目が止まりました。人は、自分の立場と異なる事象を経験してはじめてそれを理解する、こんなことが多いように感じます。だったら、広い視野で積極的に経験すればいい、そんな当たり前で当たり前じゃないことについて雑談していきます。

 

 

160622source/allwomenstalk

 

 

同性婚反対は間違っていた

 

—Guess I was wrong in 2013.
2013年の私は間違っていたのかもしれない。

 
 
 

自身のTwitterアカウントでそうつぶやいたのは、英国保守党の政治家、マーク・ランカスター氏。コソボやボスニア、アフガニスタンで予備兵中佐を務めた後、2005年に行われた総選挙にて、北東ミルトンキーンズ選挙区で選出された国会議員です。当初は国務長官の議会担当秘書官だったそうですが、2012年に財務省主長官に任命、現在は第二次キャメロン内閣のもと、防衛省にて政務次官を務めています。

 

 

ランカスター氏が間違いとして言及しているのは、2013年に同性婚法へ反対票を投じたことです。彼は当時、「同性婚は、宗教の自由のために人々の権利を不本意に剥奪する可能性がある」と主張。

 

それなのに、2016年になってなぜ意見、立場が変わったのでしょうか。
それは友人のプライヴェート結婚式に出席したことがきっかけでした。

 

 

「この土曜日に、はじめて同性同士の結婚式に参加しました。今まで行った中で、最高に愛すべき素敵な催しのひとつでした。2013年の私は間違っていたのかもしれない」

 

 

このつぶやきに対し、スコットランドの保守党女性リーダーであるルース・デビッドソン氏が「立場を変えるパワーと、それを認める寛大さ。私たちはこういったことがもう少し必要なのかもしれないですね。ありがとう、マーク。」と迎合。

 

 
LGBTサポーターでもある教育長官のニッキー・モーガン氏も、以前とはポジションを変えたうちのひとりで、以下のように述べています。

 

「政治で重要なのは学び。国会議員や大臣であることの特権のひとつは、様々な人に出会い学習できること。私は間違っていた、だから立場を変えたと、それでも人々は理解してくれると信じています」

 
 

このように、ランカスター氏は身近な同性カップルの結婚式に参加したことで、反対票を投じたことを誤りとし、立場を180度変えたのです。
もし、2013年以前に同じ体験をしていたらどうだったのでしょうか。過去の話をしても仕方のないことですが。

 

 
国民の代表でもある政治家の発言や行動は、一般の人より影響力があるため、その立場表明がとても大事になってきます。もちろん、人間誰しも完璧ではないため、デビッドソン氏やモーガン氏が言うように、間違えを認め、その後どう行動するのかが重要になってくるのでしょう。

 

 

影響力云々は抜きとして、こういったプロセスは普段わたしたちの日常でも起こり得ることではないでしょうか。

 
 
 

その立場になってはじめて分かること

 

最初にAの立場を主張
→あることをきっかけに相手のBの立場を経験
→Bの立場も正しいのかもしれない、Aの立場は間違っていた

 
 
人は誰しも経験してみたり、その事実に触れてみないと理解できないということが多々あります。

 
 

単純な話で例を挙げると、親になってみないと親の気持ちは分からない。など。夜は危ないから、早く帰ってきなさいという親に反抗して、夜遊びしたくなるお年頃の時代。でも、実際自分が親や大人になってみると、危険がいっぱいの夜の街に何も気にせずこどもを放り込むなんて、そう簡単にできないですよね。

 

こどもと大人の関係性だと、時間の経過があまりにもあるので多少大袈裟かもしれません。

 

 

でも、もっと身近な事象に関して考えてみてください。触れたことのないこと、違う立場を積極的に経験する、あるいは想像してみることがいかに重要か。

 

後から気付く、これは後悔と一緒。だったら、後悔する前にいろいろな立場、気持ちになって考えてみたほうが良いですよね。

 
 

仕事をする上でも、恋愛でも、そしてセクシャルマイノリティに関しても同じです。
LGBTには、LGBTになってみないと分からない困難や障害があります。
でも、当事者じゃないと、その部分が見えないかつ見ようとしない、自分の経験だけからものを考えてしまう、Aの立場なんだと思い込んだらAの立場だと決めつけてしまうこともあるはず。逆に、LGBTの人も、なぜ相手がそういう立場なのか考える必要があるかもしれません。

 
必ずしも、すべてを理解できなければ、受け入れられるわけでもないかもしれません。でも、Aの立場以外の可能性を知る、経験することが大事だと思います。Bの立場も経験した上で、なおAの立場を表明するなら、それなりの理由が伴っているはずなので、周りだって認めてくれるはずです。

 

 

白黒つけたがる世の中、自然と立場表明が強制されているのかもしれない。だからといって、あまりにもAの立場に固執していると、端から見たら、周りが見えていないただの”小さい人”かもしれません。

 
 

「編者の雑談」第8弾、以上。

 

 

 

Top Photo/HA CENTER

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