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2016.06.15

なぜオーランド銃乱射事件は起きてしまったのか…世界中が哀悼の意を表す

49名の死者、53名の負傷者を出し、アメリカ史上最悪となったオーランド銃乱射事件。アメリカをはじめ、ヨーロッパそして日本でも追悼式が行われ、世界中が悲しみに包まれた。

 

 

あの日、何が起きたのか

1606142source/OUT

 

事件は12日午前2時頃、米フロリダ州オーランドにある最大級のゲイナイトクラブ「Pulse」で起きた。この日は“高級ラテンサタデー”というラテン・アメリカをテーマにしたイベントが開催され、約320人ほどの人で賑わっていたという。

 
 
終盤に差し掛かって、銃を武装した男が発砲を始めた。

 
 
 
—みんなパルスを出て、走り続けて

 
 
 
警官との撃ち合いになると、男は人質を取り立てこもった。
 
午前5時、特殊部隊が突入。

 
 
 
49名が死亡、53名が負傷するという近年の米国の銃乱射事件最悪のものとなった。容疑者はオマール・マティーン(29)、乱射後に警察が射殺。犯行動機は依然として明らかになっていないが、IS(イスラム国)に忠誠を誓う声明が見つかっており、ISとの関係性について捜査が進んでいる。

 

両親はアフガニスタン出身だが、マティーン容疑者はニューヨーク生まれ、後にオーランドからやや離れたフォート・ピアースに移り住む。

 

ISとのつながりが懸念される一方で、以前から暴力的な一面があり精神疾患だったのではないかという見方もある。妄想症など神経症状を引き起こすステロイド剤を過去に服用していたことも。

 

また、容疑者の父親は米NBCニュースに対して、マイアミ市内で男性同士がキスしているのを見て息子が激怒していたと話しており、今回の事件の動機が同性愛嫌悪、つまりヘイトクライムだったことも示唆している。

 

しかし、過去にはゲイ疑惑もささやかれていたようで何度かゲイクラブを訪れていたそう。事件直前にはデートアプリ「Grindr」で多くの男性とチャットしていたりと不可解な行動が見受けられる。
以前、マティーン容疑者と一緒にクラブに行ったことがあるという人は「彼はその場に馴染みたかったんだろうけど、誰も彼を好きじゃない雰囲気だった。社交性がなくいつも不器用だった」とインタビューに答えている。

 

 

世界中が哀悼の意を捧げる

1606141source/ADVOCATE

 

今回の事件を受けて、世界中の多くの人が追悼の意を表している。

 

オーランドでは月曜の夜に追悼式が行われ、パルスの従業員をはじめ、州や国の代表者やLGBTアクティビストらが、涙を流しながらステージで愛、団結、回復のメッセージを分かち合った。さらに、Dr.Phillips Center for the Performing Artsに集まった人々がローソクに火を灯し、49回の鐘の音とともに黙祷を捧げた。そして、ブロードウェイソング「You’ll never walk alone(あなたはひとりじゃない)」をアカペラで合唱、続いてThe Beatlesの「Let It Be」が会場に響き渡っていた。

 
 
同様の追悼集会がフランス、カナダ、イギリス、ドイツ、オーストラリア、香港、タイ、ポーランドなど世界各国で行わている。日本でも、「ストーンウォール・ジャパン」主催のデモ行進が14日、新宿二丁目で行われキャンドルを手に約150人が参加した。

 
 
オバマ大統領はホワイトハウスにて「これはテロ行為であり、ヘイト行為だ」と主張、16日にオーランド入りし、遺族に表敬する予定とのことだ。

 
 

We can always count on one another’s pain to remind us what strength is all about. #UnitedAsHumans #UnitedAsFriends

Lady Gagaさん(@ladygaga)が投稿した写真 –

 
 
また、追悼式でスピーチを行ったレディー・ガガをはじめとする多くのミュージシャン、セレブリティもメディアやSNSを通して追悼の意を表明、祈りを捧げている。

 
  

Remembering the victims of the Orlando Pulse shooting

 

こちらのサイトでは、身元が確認できている被害者の顔写真を身近な人の言葉とともに掲載している。

 
 
その中には、結婚を目前にしていたカップル、フアン(22)とクリストファー(32)の写真も。

 

Date night

Juan Guerreroさん(@juang0628)が投稿した写真 –

 

「本当に愛し合っていたの。ソウルメイトのようだった。お互いの見つめ合い方で分かるはずよ」そう語るのはフアンの姉だ。「死ぬ時も一緒だったことが、せめてもの慰めね」お互いの家族は、2人を隣同士に埋葬してあげる予定だそう。「息子もそうしてほしいはずだ」とフアンの父。

 

 

二度と同じことを繰り返してはいけない

1606143source/HUFFPOST LIVING

 
もしこの事件がヘイトクライムならば、より悲しい気持ちでいっぱいだ。多くの人が犠牲になったことだけでも悲しい、それに加えて要因が同性愛に対する否定的な感情だとしたら尚更のこと。どれだけ傷つけばいいのだろうか。どれだけ被害にあえば気が済むのだろうか。どんなに主張してもマイノリティの言葉は届かないのだろうか。そんな悲痛な言葉ばかりが浮かんできてしまう。

 

しかし、オマール氏はクラブの常連だったという話もあるため、様々な感情が彼自身に渦巻いていたのかもしれない。仮に彼がゲイだとして、カミングアウトできない、さらLGBTコミュニティの人とも馴染めないが故に精神的に追い詰められていたとしたら、彼をそうさせた社会全体の問題なのかもしれない。

 

また、多くの人が意見しているように、アメリカの銃社会そのものを見直さなければ、こういった事件は永遠になくならない。日本に住む我々にとっては想像し難い部分もあるが、犯罪に加担する“武器”が日常生活に普通に存在するのだ。銃廃止の声が上がる一方で、事件を受けて護身用の銃を購入する人が増えているというのが現実。アメリカ社会全体から銃を一掃するのはそう容易ではないことが分かる。銃に取って代わる安心材料がない限り、この状況は変わらない。

 

さらに、犠牲者で輸血を必要としている人のために献血を求めているのだが、男性と性交渉の経験がある男性が法律上、献血することが認められていない。AIDS/HIVへの懸念があるためだが、目の前に同じコミュニティで困っている人がいるのに、法律によって助けることのできない無念さが広がる。

 
 
このように、解決すべき問題はまだまだ山ほど転がっている。
それでもLGBTにとって生きやすい世の中になってきた。そう思っていた矢先に起きたこの悲惨な事件。

 
 
二度とこのような悲しい事件が起こらないよう、ひとりひとりがこのことを深く受け止め、より良い社会にしていくためのアクションを起こす必要があるのではないか。

 

 

 

犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に、心よりお悔やみ申し上げます。

 

 

 

Top Photo/ELITE DAILY

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