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2016.06.08

【編者の雑談】LGBTにとっていかにコミュニティが大切か

LGBT、特にゲイやレズビアンって同士が集まる“コミュニティ力”が強いと思いませんか? 中には、権利を唱えるならもっとストレートの人と関わったほうが良いのでは、と思う人もいるかもしれませんね。でも、コミュニティへの所属こそとても大事なことなのです。

 
 
 

ギャップを感じさせない他者の存在が大事

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source/COSMOPOLITAN

 

人間、誰しもひとりで生きている訳ではありません。

 
 
複数の人間で社会を構築している現実世界では、その中で支え合って生きていくことが大前提となっています。そして、“他者”がいるからこそ“自己”が浮き彫りになり、その間で起こるギャップから他人、あるいは自己を否定するに至ります。

 
 
 
これは、あらゆる複雑なことを除いて表面だけすくった、私なりの考え方です。

 
 
端的に言うと、すべての問題は他者との関わりの中で起きますよね、それは自己と他者のギャップから生じることで、そのギャップに対する否定を他者に向けるといじめや除外に繋がり、自己に向けると自分の存在意義を問う、悩む、自殺に追い込まれるといった構図に繋がると考えます。

 
 
さらに、ここにマジョリティ、マイノリティという概念(多数決という考え方が偏っていますが)が混じり合って、現在のLGBTのような縮図が生じるのではないでしょうか。

 

自己がマジョリティ側にいるとします。マイノリティ側の他者にギャップを感じた場合、そこで自分は間違っていないと思うため、他者を社会から排除しようとします。
逆に、自己がマイノリティ側にいるとします。マジョリティ側の他者にギャップを感じた場合、自分が間違っていると思うため、自己を社会から排除しなくてはいけないのか、という葛藤に苦しむことになります。

 
 
 
事実、そういったことで悩んでいる人は多いのではないでしょうか?

 
自分は間違ってるとみなが思うという訳ではないですし、もっと複雑な要因が絡み合っていることは確かです。でも、複数人で形成された社会の中で、自己に一番影響を与えるのが、良い意味でも悪い意味でも他者です。この“自己と他者間におけるギャップ説”、一概に否定できないと思うのです。

 
 
 
そこで大事になってくるのは、ギャップを感じさせない他者の存在。

 

自分が間違っていないと気付かせてくれるのは、ギャップを感じさせない同胞的な他者です。もし、自分が間違っていないと感じられたら、自己を排除する必要はないのかもしれないという考えに繋がるのではないでしょうか。
そういった同胞的な他者の集まりこそがコミュニティであって、コミュニティが心の支えになるということです。そして、ギャップを感じさせない他者の数が多いほど、自己に対する否定から肯定へ好転する確率が高くなりますよね。

 
 
ここで、これらをLGBTに当てはめて考えてみてください。

 
 
 

みんな同じ経験をしてきたんだ…という安堵

1606082source/NCH

 

LGBT専門セラピストの間でバイブルとも言われている『Pink Therapy』の著者であり、自身もLGBT専門セラピストのチャールズ・ニール氏が、セラピーを通して感じたことを述べているので、ご紹介したいと思います。

 
 
「彼ら(ニール氏を訪れたセクシャルマイノリティの人々)には共通した傾向があったんです。常に気持ちを上げなきゃいけない、楽しまなきゃいけない、たくさんセックスを経験しなきゃいけない、幸せな人生を送らなきゃいけない……だけど周りにオープンになれないし、友達にさえすべてを話すのは難しい。こう考えているんです。特にゲイの人に多い傾向ですね」

 
ニール氏は続けて、
「ほとんどのメンタルヘルスの問題は、自己を抑圧してしまうこと、不安や鬱な気分を内面に抱え込むこと、また自己を低く評価してしまうことに起因します。こいうったことは、薬物やアルコール関連の病気、ボディコンプレックスの問題、醜形恐怖症、自傷行為、ほか何らかの行為につながる可能性も出てきます」

 
 
こういった困難と闘う人を支援するためには、“コミュニティ”という観念が大事だと展開しています。
「この20年間、ゲイやバイセクシャル男性のグループセラピーを行ってきました。参加した人みんながまず口にすることは、同じ経験をしてきた人、アイデンティティやカミングアウトなどで同じく苦しんできた人、憂鬱な気分になっている人と同じ部屋にいることが、何より素晴らしい救いになった、ということなんです。つまり、自分と同じように感じてきた他のゲイの人に出会い、コミュニティに集っていると思えることが大事なんです」

 

 

 
コミュニティの存在はとても大切なんです。

 
同じような道を歩んできた人しか分からないこと、今までそれをシェアできる人がいなかった、でもそれを共有できる人がいたんだ!
これって安堵と喜びに繋がりますよね。

 

LGBTに関わらず、日々の生活の中で皆味わっていることだと思います。同じ音楽が好きだから集まる、なんて正にそうじゃないですか?

 
でも、コミュニティって外から見ると入りにくい、怖いイメージもあったりしますよね。それこそ、内と外、自己と他者の関係性のようなものというか。
だからといって、その内側を覗かずに境界線をつくったり、排除するのは間違っていると思います。逆も然りで、いくらコミュニティが大事だからといって、コミュニティに属さない人を排除、拒絶するのも間違っています。

 

 
冒頭に戻りますが、これだけの人間が所属する母体の社会の中でギャップを感じないほうが難しいです。そこで、まずは他者をすぐ排除しようとしないこと、さらに自己を否定しないこと。もし、自己を否定してしまいそうだったら、きっとギャップを感じさせない他者もいるんだと考えるようにしましょう。

 
 
と、なんだか遠回りになってしまいましたが、今回「編者の雑談」第7弾で言いたかったことは、当事者もそうでない人もLGBTのコミュニティの重要性を学びましょうということです!

 

 

 

Top Photo/CSDTtzic

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